歯周病治療
歯周病治療
歯周病とは歯を支えている骨が溶ける病気で、成人の70%が罹患し歯を失う一番の原因です。当院では歯周病専門の機関で研鑽を積んだ院長による歯を残すための専門的な治療を提供いたします。
歯周病は、口腔内に住んでいる歯周病の原因菌が増殖して毒素を出し、炎症を起こしながら歯ぐきや歯を支える顎の骨である歯槽骨を破壊していく感染症です。
歯は歯ぐきと歯槽骨に支えられていますので、それが破壊されると歯自体は健康でむし歯のない状態でも抜けてしまうことがあります。歯周病で歯を失わないためには正しい予防と早めの治療がとても重要です。
歯周病はその進行により歯と歯ぐきの境目の歯周ポケットと呼ばれる溝の深さが増加していきます。健康な状態の歯周ポケットは1-2mm程度で、その深さによって進行状態を4段階に分類します。
歯周ポケットの深さ2-3mm歯の周囲に歯周病の原因菌がたまって歯ぐきが炎症を起こしている状態です。歯磨きの際に出血がみられることがあります。
歯周ポケットの深さ3-5mmこの段階で歯を支えている顎の骨(歯槽骨)が溶け始めています。歯磨きの際の出血に加え、冷たい水がしみる、口臭が気になるなどの症状が現れることがあります。
歯周ポケットの深さ4-7mm炎症が拡大して歯槽骨が半分くらい溶けてしまっている状態で、歯ぐきの腫れ、出血、歯が浮くような感覚、歯のぐらつき、口臭が強くなるなどの症状が現れることがあります。
歯周ポケットの深さ8mm以上歯槽骨の破壊が進んで、舌で押すと歯が動く、歯が長く見えるようになる、茶色っぽい歯根が歯ぐきから見えるようになる、歯ぐきから膿が出る、口臭がかなり強くなるなどの症状が現れ始めます。そのまま放置していると歯肉や歯槽骨が歯を支えられなくなり、健康な歯でも抜けてしまう可能性があります。
歯周病治療は歯科医師による治療、歯科衛生士による専門的ケアと、日々の歯磨きを主体としたご自身によるホームケアで成り立つ共同作業です。この3つのどれが欠けても、治療の成功は難しいと言われています。患者さまの病気への理解がとても大切ですので、わかり易い説明を心がけています。
歯周病の進行状態を歯周ポケットの深さ、口腔内写真やレントゲン写真を撮影し診断します。歯周病治療で最も大切なことは日々の歯磨きです。歯垢(プラーク)には歯周病の原因菌が大量に生息しているため、プラークを確実に取り除く正しい歯磨き方法をお伝えし、効果を実感していただけるようにアドバイスいたします。
歯石は歯磨きで取り切れなかったプラークが唾液に含まれるミネラル成分によって固まったもので、ここにも歯周病の原因菌が大量に生息しています。スケーリング処置では歯磨きでは落とすことができない歯石を、専用器具を用いて丁寧に除去していきます。さらに進行した歯周病では、歯周ポケットの中にも歯石がたまります。ルートプレーニング処置では歯ぐきの中に入り込んだ見えない歯石を、拡大視野下で確実に除去します。
歯槽骨の破壊が大きく、歯周ポケットが深い場合には、ポケットの外から器具で歯垢や歯石を取り除くことは不可能です。このような場合には、歯肉を開いて歯根を露出させ、歯垢や歯石を取り除いて歯根の表面を滑らかに整えます。必要に応じて、子どもの歯が発生する際に働くたんぱく質の一種を主成分とするエムドゲインゲルを塗布し、歯周病により失われた歯槽骨の再生を促します。
歯周病は治療により進行を防ぐことはできますが、手入れを怠ると再発して悪化してしまう病気です。歯ぐきの状態が改善し、歯周病治療が終了したら、定期的な歯科医師の検診と歯科衛生士によるクリーニングを受けて、良い状態を保つことが大切です。定期的な検診とメンテナンスは、お口の中の状態により1ヶ月~6ヶ月に1度の頻度で行います。歯や歯ぐきをしっかりチェックして、ホームケアでは取り切れなかったプラークや歯石を専門的ケアできれいにしていきます。また、状態に応じた歯磨きやフロス、歯間ブラシの使い方などもアドバイスしていきます。
様々な研究の結果、歯周病は多くの全身疾患に影響を及ぼしていることがわかってきました。
歯周病はお口の中の病気ですが、全身の血流に乗って歯周病原菌は各臓器や血管に大きなダメージを与えます。歯周病と全身疾患は相互作用で良くも悪くもなるため、医科と歯科の連携が必要不可欠となります。また、早産・低体重児出産のリスクも高くなるため、出産前の歯科検診はとても重要です。生まれた赤ちゃんに歯周病原菌を移さないよう注意する必要もあります。
具体的に現在歯周病菌が関与していると考えられている全身疾患は以下のようなものがあります。
進行状態は様々ですが、成人の方の多くは歯周病があります。
当院ではむし歯治療で必要になった詰め物や被せ物の精度や永続性を追求するため、それらの作製前までには確実に歯周病を除去します。